日本のネット言論の先駆けであり、ブログ界きっての論客きっこさんがこのほど
重版した『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか—国民は両建構造(ヤラ
セ)に騙されている』のレビューを執筆して下さいました。
以下は『きっこのメルマガ 第88号』で配信されたものです。ご厚意により弊社
HPでの転載を許可して頂いた次第です。
この場を借りまして、筆者、広報担当共々、きっこさんに厚く御礼を申し上げま
す。
『きっこのメルマガ』第88号
約3カ月前、6月17日配信の第75号のこのコーナーで、あたしの名言(迷言)も取
り上げられている秋嶋亮さんの『略奪者のロジック 超集編 〜ディストピア化す
る201の言葉たち〜』(白馬社)という書籍を紹介させていただきました。今回
は、秋嶋亮さんの別の書籍に重版が掛かりましたので、また紹介させていただき
ます。
今回、重版されたのは、2018年6月に刊行された秋嶋亮さんの『北朝鮮のミサイ
ルはなぜ日本に落ちないのか 〜国民は両権権造(ヤラセ)に騙されている〜』
(白馬社)という書籍です。このタイトルを見ただけで、どのような内容なのか、
ある程度は想像できたかもしれませんが、たぶん、その想像を遥かに凌駕した内
容だと思います。あたしの場合は、そうでした。
これまでの第2次安倍政権では、安倍首相に何か疑惑が浮上して内閣支持率が下
がり始めると、抜群のタイミングで北朝鮮がミサイルを発射し、安倍首相が記者
会見をひらいて勇ましいセリフを連呼し、リーダーシップをアピールして支持率
を回復させる‥‥というのが定番でした。
もちろん、すべては「単なる偶然」なのでしょうが、あまりにも同じパターンが
繰り返されるため、一部では「安倍首相が金正恩にカネを払ってミサイルを発射
してもらってる」などという陰謀論まで囁かれていました。しかし、これは本当
に陰謀論だったのでしょうか? 秋嶋亮さんの『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に
落ちないのか』では、「現実の迷宮へようこそ。」で始まるプロローグの冒頭に、
次のように書かれています。
「本書は時代のリテラシー(読解力)を圧倒するものであり、おそらく陰謀論だ
の電波系だのと謗(そし)られ、挙句にトンデモ説として一蹴されるのだろう。
しかし現実として「北朝鮮のミサイルは日本に落ちない」のだ。そして今後も
「北朝鮮のミサイルは日本に落ちない」のであり、新聞やテレビがどれほど脅威
を煽ったところで「北朝鮮のミサイルは日本に落ちない」のである。」
こうした書き出しなので、この冒頭部分しか読まなければ、この通りに「陰謀
論」で「電波系」で「トンデモ説」が書き連ねてあるのだろうと思い、「読むに
値しない本」だと判断してしまうかもしれません。しかし、あたしの場合は、わ
ずか4ページのプロローグを読んだだけで、この思い込みは一気に逆転し、早く
本章が読みたくてページをめくってしまったのです。
この本は、簡単に言えば「北朝鮮のミサイルは日本に落ちない」という仮説を立
て、その仮説を証明して行くという内容です。しかし、とにかく秋嶋亮さんの圧
倒的な情報量と精密な分析力が素晴らしく、まるで刑事コロンボが犯人を追い詰
めて行くような、まるで藤井聡太二冠が難問の詰将棋を解いて行くような、そん
な面白さがあります。
これまでの安倍政権は「北朝鮮のミサイルが日本に飛んで来る」として毎年の防
衛予算を増やし続けて来ました。そして、菅政権に代わった直後の9月21日、防
衛省は2021年度予算の概算要求で、またまた過去最大の5兆4000億円超を計上し
ました。新型コロナウイルス対策などで歳出が膨らむ中、このまま防衛予算を増
やし続けて行くことが本当に日本国民のためになるのか、この本を読むと、納得
の行く答えに辿り着くことができるかもしれません。
秋嶋亮さんの『北朝鮮のミサイルはなぜ日本に落ちないのか 〜国民は両権権造
(ヤラセ)に騙されている〜』(白馬社)は、「1700円+税」とちょっと値段が
高いですが、それ以上の内容と情報量、そして、読み物としての面白さもありま
す。興味を持たれた人は、ぜひ読んでみてください。