『二ホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへOUTBREAK(アウトブレイク)―17歳から始める反抗するための社会学』が『きっこのメルマガ』で紹介されました

日本のネット言論の先駆けであり、ブログ界きっての論客として知られるきっこさんが『二ホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへOUTBREAK(アウトブレイク)―17歳から始める反抗するための社会学』のレビューを執筆して下さいました。以下は『きっこのメルマガ 第132号』 で配信されたものですが、ご厚意により弊社HPでの転載を許可して頂いた次第です。
この場を借りまして、筆者、広報担当共々、きっこさんに厚く御礼を申し上げます。

以下、『きっこのメルマガ』掲載文より

【ブックレビュー】

秋嶋亮著『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ~17歳から始める反抗するための社会学~アウトブレイク』(白馬社)

今回は、あたしも大ファンの社会学作家、秋嶋亮さんの人気シリーズ『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ』(白馬社)の第3弾「17歳から始める反抗するための社会学」が刊行されましたので、紹介させていただきます。このシリーズは、4年前に刊行された第1弾「15歳から始める生き残るための社会学」が注目され、続く第2弾「16歳から始める思考者になるための社会学」で人気シリーズとなりました。

その秘密は、卓越した分析力と独自の視点を持つ秋嶋亮さんが、時代に沿ったディープなテーマを、1ページ1コンテンツという独特のスタイルで、読みやすく、分かりやすくまとめている点にあると思います。1コンテンツが150字から200字程度の短いセンテンスに簡潔にまとめられているので、読みやすいだけでなく、こちらの理解力も高まるのです。いろいろな比喩や言い回しを駆使して長々と説明されるよりも、要点だけを簡潔にまとめて提示されたほうが分かりやすいし理解しやすい。その具体例のような優れたシリーズです。

合計201のコンテンツは、どのページも「なるほど!」の連続で、普段から疑問に思っていた様々な社会的事象が、1つずつ解けて行きます。精密に章立てしてあり、一定の法則に従って編まれていますが、1ページ1ぺージが独立したコンテンツでもあるため、仕事の空き時間などにパッとひらいたページを読む、という楽しみ方もあります。特に今回の第3弾「17歳から始める反抗するための社会学」は、新型コロナという誰もが未体験の特殊な状況への対策として執筆されており、ある意味、この新型コロナ禍を生き抜くためのサバイバル書とも言える一冊なのです。

新型コロナの感染を避けるための対策は、テレビやラジオ、新聞や週刊誌などが、もう1年以上も同じ呼びかけを繰り返して来ましたので、あたしたちは、すでに耳にタコができています。しかし、その一方で、新型コロナによって社会の見えない部分がどのように変化し始めたのか? 権力者たちが新型コロナを利用して何を目論んでいるのか? こうした問題は、あたしたちの日々の話題や議論の俎上に上がることすらなく、地殻の下のマグマのように不気味に動き続けているのです。

その地殻に、秋嶋亮さんが情報収集力と分析力という強力な重機で穴を穿ち、多くの人々が知ることのなかった「新型コロナ禍の闇」を白日の下に引きずり出したのが、今回のシリーズ第3弾『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ~17歳から始める反抗するための社会学~アウトブレイク』(白馬社)なのです。もともと長いタイトルのシリーズですが、今回は、さらに「アウトブレイク」という言葉が添えられています。これについて、秋嶋亮さんは「まえがき」の中で次のように述べています。

「題名に添えたアウトブレイクとは『勃発する』という意味だが、これはパンデミックの発生とともに、我々の生存を脅かす事件の噴出を示唆しており、時代の凶兆を告げるシンボリックな言葉だと捉えて頂きたい。」

この一文からも分かるように、秋嶋亮さんは、新型コロナという感染症そのものではなく、感染拡大という状況下で「勃発する」であろう事件こそが、あたしたちの生死に関わることになるかもしれないと警鐘を鳴らしています。そして、本文では、新型コロナ禍ですでに起こり始めている問題から、今後、起こりうるであろう問題まで、社会学的視点から1つずつ明らかにしています。

東日本大震災で原発事故の起きた福島県では、震災そのものの犠牲者よりも、震災後の長引く避難生活の中で亡くなった「震災関連死」の犠牲者のほうが多くなってしまいました。これは行政の責任ですが、現在の新型コロナでも、このまま状況が悪化し続ければ、将来的には感染以外の原因による死者のほうが多くなってしまうかもしれません。すでに入院希望者の大半が病床不足で入院できず、自宅で亡くなる人が増加し続ける中、感染していない人々にも生存の危機が迫っているのです。

この未知の状況を生き抜くためには、まず、自分の知らないところで何がどのように動いているのかを正確に把握し、近い将来に起こる可能性のある危機をいち早く推測しておくことが重要です。そして、その水先案内人となりうるのが、表紙に露草のように美しいブルーで「OUTBREAK」と印刷された本書、『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ~17歳から始める反抗するための社会学~アウトブレイク』(白馬社)なのです。興味を持たれた人は、ぜひお読みください。